第22話「東インド諸島への伝播」
アラビアからのコーヒー貿易の主人公となることに成功したオランダが、
次に目指したものはオランダ領東インド諸島でのコーヒー栽培であった。
ラッキーに聞いて見た。 「初めての土地での栽培に生豆からというのはちょっと難しかった思います。 「それは、いつ? どこで?」 「コーヒーの発芽能力をなくすために熱湯につけたり乾燥させたりして、他国への流出を懸命に抑えていたアラビア人も、メッカへ来る何千人という巡礼者をしらみつぶしに調べ上げる訳にもいかなかったみたいで、とうとう1600年頃コーヒーを持ち出して違う土地に移植させた巡礼者がでてきましたんや! 名前は、ババ・ブダン。 現在この地方の原住民によって栽培されているコーヒーの木は、このババ・ブダンがもたらしたものに源を発しているといわれてますねや!」 「なるほどネ。で、このインドのコーヒーの木が、東インド諸島に運ばれたの...?」 「そういうわけ! 「それが、オランダ領東インド諸島でのコーヒー栽培の元祖というわけやね?」 「残念ながら、当時のコーヒー栽培はそんなに甘くはありましぇ〜ん。 「ふ〜ん... それじゃあ、東インド諸島ではコーヒー栽培なんてできるわけない...っていう話しになっちゃったんだよネ?」 「ここがオランダのすごいところやと思うねんけど、なんと3年後の1699年に全く同じルートでトライした人がいてますねや。 名前は、ヘンリクス・ザルデクローン。 このおっさんは、コーヒーの挿し木を持ち込んで栽培に成功しよりました。 そして、1711年。 「なるほどネ。 オランダのおかげで、アラビアから現在の世界中のコーヒー生産地へコーヒー栽培が広がり、今こうしてコーヒーを気軽に楽しむことができるようになったんだなあ〜...と考えながら、うなずくタカシであった。 「ちなみに、オランダ最初のコーヒーハウスは、ハーグでオープンし、続いてアムステルダムやハーレムでも開店してます。 いままで見てきたように、どこの国でもコーヒーに対する迫害の歴史の一つや二つはあたりまえやったでしょ? 「僕たち日本人からすると、コーヒーといえばブラジルをすぐに思い浮かべるけど、中南米にコーヒー栽培を伝えたのもオランダ人なの...?」 ちょっと日本への道のりからはずれて遠回りになると思ったけれど、どうしても気になったタカシはラッキーに尋ねて見た。 「う〜ん、間接的にはオランダの影響は無視出来まへんけど、話しとしては < 一人のフランス人と、一組の不倫カップルの功績 > ........といったほうが、おもろいやろね〜...」 ニヤっと笑いながらラッキーは続けた...
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さてさて、日本を目の前にして、ちょっと寄り道となってしまった
ラッキーの話しは、次回のオタノシミということで............................
日本伝来はもうちょっと待っててください。