第17話「フランスへのコーヒー伝播」
「フランスへ来るのは始めてなんだけど、どうしてパリじゃあなくてマルセイユなの? 「なんや、タカシも大阪弁がちょっと入ってきたんちゃう? そう言うと、ラッキーは壁に向かって目から光の帯を照らし出した。 「すごい機能がついてるんやね! 尊敬するわ!」 「そんなことより、よう見て勉強しいや! 「なるほど、なるほど。」すなおに納得してしまうタカシだった。 「コーヒーを最初にフランスに伝えた人は<幸福なアラビアへの旅>を著わしたジャン・ラ・ロックの父の P・ド・ラ・ロックと言います。彼はフランスのトルコ大使M・ド・ラ・エイに随行してコンスタンチノープルに赴き、その後レバントまで足をのばしてます。 「なるほど、良くわかったわ。 「やっぱりコーヒーを飲むという習慣を外国の生活で経験していたマルセイユの商人たちやった。 ほら、あそこの両替所の近くに沢山の人で賑わっているところがあるやろ。商人や旅行者に大人気となったあのコーヒーハウスが最初のコーヒーハウスで1671年にオープンしてます。」 「なるほど、やっぱり海外からの情報に長けていて商売感のするどい商人たちが仕掛人やったわけか?」 「そうやね。こんなふうにしてコーヒーはパリまで広がることになるんやけど、もう一つパリへの伝播に関しては重要な史実を忘れる訳にはいかんやろなあ〜?」 「それって?」 「実はトルコのコーヒーセレモニーを直接当時の国王に伝えたトルコ人がいますのや。 名前は<ソリマン・アガ> 1669年7月、トルコのモハメド4世の命令を受けてトルコ使節としてパリの宮廷にやってきました。 「なるほどね。東洋の神秘的な衣装に身を包んだ召使が、錦繍の敷物の上を金色に輝く器に入った熱い香りたつモカ・コーヒーを恭しく運び、それを礼法にしたがって賞味するなんて、当時のフランス上流社会の人たちの好奇心を最高にくすぐったというわけやね。」 「せや、なかなかタカシも解ってきたやんか。 さあ、マンデリン号に乗って。目指すは18世紀、パリのサン・ジェルマン通りでっせ!」
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さてさて、ラッキーが向かったサン・ジェルマン通りには、
何がそして誰が待ち受けているのでしょうか?
第18話は、元祖豪華なフランスコーヒーハウスを訪れますよ!