伝統的なコーヒーセレモニー


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日本で普通にお茶を飲むことと正式な茶道とが違うように、エチオピアでも一般的に行われる手軽なコヒーセレモニーと違って、コーヒー道と呼べるような伝統的なコーヒーの儀式が受け継がれているところがあるんです。

上流階級の家にはたいてい「茶室?」があり、社交の場になっています。
茶室は母屋から離れていて、4坪ぐらいの土間と、30センチ程高い4坪ほどのステージがあり、コの字に石の長椅子が置かれています。

3面の壁には、花模様などが書かれた派手な大きい皿がたくさん飾られています。
部屋にはカラフルな衣装を着た女性が10人ほど招待されていました。
この儀式には男女は同席しないきまりのようです。

客が来たのを見計らって、まず松脂の香が焚かれます。
土間には年配の女性と若い女性が待機しています。
まず、若い女性が焙煎していない生のコーヒー豆を水で洗います。
年配の女性は薪で火をおこし、浅い丸鍋「mekuya」でコーヒーを煎りはじめます。

待っている間にお客様にお茶菓子として、「kollo」あるいは「dabo」と呼ばれる物を少しずつ回します。ポップコーンなども使われるようです。

ちょうどきつね色に焼かれた豆が良い香りを発するようになると、全てのお客様にその香ばしい香りを楽しんでいただくように、「mekuya」に豆を乗せたままそれぞれのお客様の所まで運びます。
松脂の香りと微妙にブレンドされて、神秘的な雰囲気をも醸し出します。
まず、香りを楽しむのです。

やがて壷の中に煎った豆を入れ、鉄の棒でつぶして粉にします。
そのあと、熱湯の入った丸い壷にコーヒーの粉を入れます。
この壷を直接火にかけしばらく煮立てます。
泡が出てきたところで静かに火からおろします。

日本のお茶碗と同じようにとってのないカップに、コーヒーの粉が沈んだのを見計らって上手に上澄みだけを注ぎます。

地域によっていろいろですが、コーヒーの中に入れるものは、「塩」「バター」そして「砂糖」があります。何も入れないこともあります。

コーヒーはまず、尊敬される人(通常は年長者)から順に配られます。

最初にふるまわれる1杯目の強いコーヒーを「Abol」と言います。
みんなで「Abol」を楽しんだ後、カップを集めて2杯目の準備にかかります。

先ほど煮立てた壷の中に残っているコーヒーに再びお湯を加え、火にかけて沸騰させます。その間に回収したカップを水で洗浄します。

2杯目を「Tona」と呼んでいます。当然少し弱くなっています。

同様に、お客様からの要望があれば3杯目の「Bereka」も煎れる事があります。
エチオピアでは、この「Bereka」を子供たちに飲ませているそうです。

最後に、お客様の一番の長老(あるいは主賓)がホスト家族に感謝の言葉を言って儀式は終了します。約1時間半程の時間をかけてゆったりと楽しむのです。

茶道の歴史を持つ日本人にとって、親しみの持てるエチオピアのコーヒーセレモニーです。

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